2010.3.27
ワールド・シアター・デイ メッセージ


デーム・ジュディ・デンチ

ワールドシアターデイは、数えきれないほど無数の表現形態のある、あらゆる「演劇」のことを祝う機会を与えてくれます。演劇は、世界の津津浦浦に存在する、多くの、様々な文化を一つに繋げ、大勢の人たちをも一つの輪に繋げるという力を内に秘めながら、エンターテインメントとインスピレーションの「源」であり続けます。いいえ、「源」以上でしょう、さらに私たちに知識と情報をも提供してくれるという点を考えれば。

演劇的なことは世界中で行われていますが、それらは必ずしも常に伝統的な演劇環境でということではありません。パフォーマンスは、アフリカの小さな村でも、アルメニアの山の麓でも、太平洋のほんの小さな島ででも生まれます。そこにパフォーマンスを行う「空間」と「観客」さえ存在すればそれで十分でしょう。

演劇は私たちを微笑ませ、泣かせます。そのような潜在的な力を持っています。が、同時に、私たちの頭を働かせ即座に判断させ反応させるという力も備え持っています。

演劇は、それに携わる多くの仲間たちの共同作業の成果です。人々が観るのは俳優たちですけれども、表には出てこない隠れた人々が驚くほど大勢居ることを私たちは知っています。それらの人々は俳優たちと等しく重要で、彼らの多種多様な専門的スキルが作品の上演を可能にしています。彼らもまた、誰もが願う上演の、勝利という収穫と成功を、俳優たちと共に分ち合うべき仲間なのです。

3月27日は、公式に定められた「世界演劇日」の日付です。けれども、私たちにとってはまた別の意味で、日常の日々が「演劇の日」であると考えるべきでしょう。何故なら、私たちには観客を楽しませ、観客を啓発し時には善導するという演劇の今日までの伝統をずっと続けてゆく責任があるからです。観客がいなければ私たちの演劇は存在し得ないのですから。