大涼山国際演劇祭参加『身体詩・鳥の会議2024with谷川賢作』
寄稿:オーハシヨースケ



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10日間11カ国100ステージが上演された大涼山国際演劇祭で、身体・ジャズピアノ・映像が融合したパフォーマンスを上演
2024年11月、中国四川省・涼山イ族自治州西昌市で開催された「第6回大涼山国際演劇祭」にNPO法人 祈りの芸術TAICHI-KIKAKUを派遣し、『身体詩・鳥の会議2024with谷川賢作』を上演した。公演団主宰のオーハシヨースケ氏によるレポートをお届けする。
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中国の内陸真ん中あたり、四川省成都から高速鉄道で南へ3時間、涼山イ族自治州西昌市に着く。コーディネイターの任双双さんに駅で流れるアナウンスの日本語訳を問うと、「私にも分かりません」。少数民族イ族語なのだ。街の標識は中国語とイ族語。中国ツアー前に永井多恵子会長、菱沼彬晁理事と共に在日中国大使館に挨拶に行った折に、文化担当参事官は「今中国は地方の発展が課題、少数民族の地が演劇を核に特色ある発展をする意義は大きい」と語っていた。この高級リゾート地に演劇祭の大看板や幟が設置され11月8日から17日まで10日間11カ国100ステージが上演される大涼山国際演劇祭の気分は盛り上がっていた。野外劇場でのシンポジウムでは菱沼さんが特別に発言を求められ、長い日中演劇交流を振り返る。11月10日西昌市大劇場で、少数民族文化をテーマに作品を創り世界的に展開しているサモア島の演出家Lemi Ponifasio 氏の作・演出、ITIとの共同作品「星回(Star Returning)」を観劇。地元イ族の文化と音楽、映像が一体となった久々見応えのある現代演劇に出会う。
さて、私たちの公演『身体詩・鳥の会議2024with谷川賢作』は、西昌市中心部にある芸術学校の小劇場BlackBoxで行われた。全編鳥語で語られる100分間。谷川賢作のジャズピアノと田渕英生の「手の鳥」の映像が、身体詩パフォーマンスと拮抗し融合する。実はこの「手の鳥」映像には、原発事故被災地福島県南相馬市で生まれた原発事故後の今日までの苦しみ・苦悩を表現する地元の人たちの「手の鳥」パフォーマンスが埋め込まれている。原発事故被災の地元の人たちはとてもシャイで、ワークショップでもその心の内をなかなか表現できない。顔を隠して手だけで表現してもらうと、その人たちの「手」が魂の形そのものに見えるほど凄かった。これを日本中にそして世界に羽ばたかせたい。原発事故被災地から解き放たれ、鳥たちが試練を乗り越える旅に出る。だがその試練とは現代の試練だ。地球の責任を誰が負うのか。それが「身体詩・鳥の会議」のテーマだ(こちらより中国公演紹介映像が見られます)。
現地の観客の反応はどうだったか。詰めかけた若い観客は「キュート!」と言ってくれた。「セリフはありませんが、全ての「鳥の声」はあらゆる音色に満ちていました。素晴らしい身体と声の表現を通して、二人(ヨシダ朝とオーハシ)の俳優の演技に深く感銘を受けました(北京中央戯劇院の演出家の劇評)」。中国の地元紙は「身体詩TAICHI-KIKAKUによる独創的な作品「鳥の会議」は立ち見客も出て満員の劇場で拍手と笑いと涙が交錯し、終演後は観客総立ちの大声援が送られた。」と掲載してくれた。改めて「鳥の会議」を中国に派遣してくれたITI日本センターに心から感謝の意の表したい。ありがとうございます。
尚、この『身体詩・鳥の会議with谷川賢作』は、2025年8月8,9日東京神楽坂の小劇場「絵空箱」で中国凱旋公演を決定! 詳細はTAICHI-KIKAKUホームページに掲載。
オーハシヨースケ(NPO法人 祈りの芸術TAICHI-KIKAKUプロデューサー・出演)