
日本からの発信
2025年、世界の平和が大国の強権に委ねられる現実の中、幕を開けました。とりあえずの平和がウクライナの、ガザの人々の平穏を取り戻せるのでしょうか。
ドネツク州では「長い間、ウクライナ人もロシア人も共に暮らしていたのに」と避難民のひとりは語っています。人種を超えて共に生きてきた暮らしの中に、新たな国境線が敷かれるのでしょうか。
日本でも公開された映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』ではヨルダン川西岸で、我が家を破壊されるパレスチナの若者とイスラエルの若いジャーナリストとの交流が描かれていました。国、民族の違いはあっても、友情を持ちつづけることは出来るのです。
昨年度、第37回ITI世界大会が、アントワープ(ベルギー)、デンボッシュ(オランダ)で開催されました。「紛争地域で生まれた演劇」部会では、過去に行われた戦乱に関する演劇もアーカイブ化しようという提案が、今回ITI会長に選ばれたジェシカ・アトウォーキー・カーウワ(ウガンダ・センター)から出され、日本センターからは、長く主催してきた『この子たちの夏1945・ヒロシマ・ナガサキ』の舞台映像を提供してきました。海外での上演の機会に希望をもっています。
核所有国の広がりのある中、再び、核兵器による悲惨が繰り返されることのないよう、日本から世界へ、演劇がどう介入していけるか、新たな課題です。会員の皆様にも日本を発信する積極的な事業提案、ご参加を期待しています。
公益社団法人 国際演劇協会日本センター
会長 永井多惠子