shochiku
201401~2
tomin_b
ITIbanner
W468×H60_r1_c1 (1)

紛争地域から生まれた演劇 シリーズ7


リーディング&レクチャー
「演劇と世界―日本と世界の出会いをめぐって」

2015年12月16日(水)~20日(日)
東京芸術劇場アトリエウエスト(一部別会場)

【紛争地域から生まれた演劇シリーズ】
ユネスコ傘下のNGOである国際演劇協会(ITI=International Theatre Institute)では、演劇を通じて平和の構築を目指す取り組みとして、世界各地で「紛争地域の演劇」と題するプロジェクトが行われています。

日本センターでは、これに呼応するかたちで、『国際演劇年鑑』(Theatre Yearbook)の調査・研究事業の一環として2009年から「紛争地域から生まれた演劇」シリーズを実施しています。これまで7年にわたり、日本に知られていない優れた戯曲を発見・翻訳し、レクチャーやシンポジウム、リーディングという手法で、さまざまな国や地域の16作品を紹介してまいりました。

今年はナイジェリア、フィリピン、シリアより三作品をご紹介します。
国内外のゲストを迎えての関連企画もどうぞおたのしみに。
 
 
 
【リーディング】

◆12月16日(水) 19時 / 17日(木) 19時

『狂人と専門家 Madmen and Specialists』(ナイジェリア)
アフリカ初のノーベル文学賞劇作家の戯曲、本邦初訳初演。内戦時の投獄経験をもとにした不条理劇。

作:ウォレ・ショインカ (Wole Soyinka)
訳:粟飯原文子
演出:伊藤大(青年座)
音楽:和田啓
出演:横堀悦夫(青年座)、名取幸政(青年座)、松熊つる松(青年座)、水嶋カンナ(新宿梁山泊)、久松夕子(青年座)、山賀教弘(青年座)、カゴシマジロー(TRASHMASTERS)、荻野貴継(スタッフ・テン)、沖永正志(文化座)、青木和宣(文化座)
 
 
 
◆12月18日(金) 19時 / 12月19日(土) 13時

『イスマイルとイサベル Ismail at Isabel』(フィリピン)
※作家来日
ミンダナオ島で長年続く紛争を背景に、子どもたちが困難に立ち向かう姿を描いた音楽劇。

作:ロディ・ヴェラ(Rody Vera)
訳:珍田真弓
演出:立山ひろみ(ニグリノーダ)
演出助手:平田万里
出演:伊東沙保、HiRO(奄美シマ唄の会)、近藤隼、高橋牧(時々自動)、河内哲二郎、木村恵実香、岩澤侑生子、関根真理
 
 
 
◆12月19日(土) 19時 / 20日(日) 13時

『夕食の前に Qabl Al Aasha (Before Dinner)』(シリア)
闘争に幻滅した若い世代と親世代のギャップを母と息子の愛憎に満ちた対話劇で描く、1985年生まれの作家による作品。

作:ヤーセル・アブー=シャクラ
翻訳:鵜戸聡
演出;シライケイタ(温泉ドラゴン)
出演:伊藤弘子(流山児★事務所)、蓉崇(タップチップス企画)
 
 
 
●期間
2015年12月16日(水)~20日(日)

●会場
東京芸術劇場アトリエウエスト(一部別会場)

●料金
リーディング各回1500円(ITI会員1000円、高校生以下500円)
リーディング以外無料

●チケットお申込み・お問合せ
氏名(ふりがな)、日時、枚数、連絡先等を明記の上、予約ページ、メール、電話、またはfaxで下記にお申し込みください。
料金のお支払いは、当日、受付にてお願いします。
* 11月9日(月)予約受付開始

➣E-mail : ticket@iti-japan.or.jp
➣Tel : 03-3478-2189
➣Fax : 03-3478-7218
➣予約ページ (ITI会員の方は備考欄にその旨ご記入ください。)
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=69724

携帯からの予約はこちらをクリック!

 

 
 
 
【スケジュール】

12月16日(水)
19:00 リーディング『狂人と専門家』

作:ウォレ・ショインカ
訳:粟飯原文子
演出:伊藤大(青年座)
終演後 シアタートーク① 「“紛争地域の演劇”を巡って」 
アリ・マフディ・ヌーリー大使(ユネスコ平和芸術家/スーダン)

12月17日(木)
19:00 リーディング『狂人と専門家』

終演後 シアタートーク② 「作品について」
粟飯原文子(アフリカ文学研究、法政大学教員)、伊藤大

12月18日(金)
13:00~15:30 シアタートーク③ 「日本とフィリピンの演劇交流」

パネリスト:ロディ・ヴェラ、竹内一郎(劇作家・演出家)、佐野晶子(アーツカウンシル東京 シニア・プログラムオフィサー)
会場:ギャラリー2(東京芸術劇場5F)
(国際演劇協会日本センター+日本劇作家協会連携企画)

19:00 リーディング『イスマイルとイサベル』
作:ロディ・ヴェラ
訳:珍田真弓
演出:立山ひろみ(ニグリノーダ)
終演後 シアタートーク④ 「フィリピンの演劇を巡って」 
ロディ・ヴェラ、坂手洋二(劇作家、演出家、日本劇作家協会会長) 

12月19日(土)

アリ・マフディ・ヌーリー大使によるワークショップ
「アフリカのフォーラム・シアター」 
(10:00~15:00、定員15名、会場要問合せ)

13:00 リーディング『イスマイルとイサベル』
終演後 シアタートーク⑤ 「作品について」 ロディ・ヴェラ

16:00~18:00 レクチャー&ディスカッション「“紛争地域の演劇”とアフリカのフォーラム・シアター」
講師:アリ・マフディ・ヌーリー大使(ユネスコ平和芸術家/スーダン)
会場:ギャラリー2(東京芸術劇場5F)

19:00  リーディング『夕食の前に』
作:ヤーセル・アブー=シャクラ
訳:鵜戸聡
演出:シライケイタ(温泉ドラゴン)
終演後 シアタートーク⑥「シリアの演劇を巡って」鵜戸聡(アラブ‐ベルベル文学・演劇研究、鹿児島大学准教授) 

12月20日(日)
13:00  リーディング『夕食の前に』
14:30 シアターカンファレンス「演劇と世界―日本と世界の出会いをめぐって」

パネリスト:新野守広(国際演劇評論家協会(AICT)日本センター会長、立教大学教授)、關智子(演劇研究・批評、日本学術振興会特別研究員・早稲田大学)、鵜戸聡、伊藤大、立山ひろみ、シライケイタ 
司会:七字英輔(演劇評論家)  
(国際演劇協会日本センター+国際演劇評論家協会(AICT)日本センター連携企画)

※シアタートーク(③を除く)司会進行/聞き手:林英樹(「紛争地域から生まれた演劇」総合プロデューサー)
 
 

12月
16日(水)
12月
17日(木)
12月
18日(金)
12月
19日(土)
12月
20日(日)
10:00 ☆アリ・マフディ・ヌーリー大使によるワークショップ
13:00 ☆シアタートーク③ 『イスマイルとイサベル』
シアタートーク⑤
『夕食の前に』
シアターカンファレンス
16:00 ☆レクチャー&ディスカッション
19:00 『狂人と専門家』
シアタートーク①
『狂人と専門家』
シアタートーク②
『イスマイルとイサベル』
シアタートーク④
『夕食の前に』
シアタートーク⑥

☆ワークショップ、シアタートーク③、レクチャ―&ディスカッションは、無料でご参加いただけますが、必ず事前のお申込みが必要です。
 
 
 
【作品と作家について】

■『狂人と専門家 Madmen and Specialists』(ナイジェリア)
ウォレ・ショインカ(1934-)はナイジェリア出身の作家。1986年、アフリカ初となるノーベル文学賞を受賞。ナイジェリアとイギリスの大学で文学を学び、1950年代後半にはロンドンのロイヤル・コート劇場に勤務。このころより次々と戯曲作品を発表していく。『狂人と専門家』は、ナイジェリア内戦(ビアフラ戦争、1967-70年)の最中に投獄された経験をもとに書かれた作品。1970年、アメリカで初上演。戦争を遠景に、権力欲にのまれた医師を主人公に据え、人間性を奪う戦争の狂気を不条理劇の手法で描いている。「紛争地域から生まれた演劇6」での抜粋上演(出演:新井純)とレクチャーによる紹介を経て、今回の全編リーディングに至る。

ウォレ・ショインカ Wole Soyinka (劇作家、詩人、小説家、エッセイスト)
1986年、ノーベル文学賞受賞。これまで30をこえる作品が出版されており、国際的にさまざまな芸術活動や人権活動を行っている。ナイジェリアで生まれ、教育を受ける。英国リーズ大学で学んだのち、プレイ・リーダーとしてロンドンのロイヤル・コート・シアターに関わり、1960年、ナイジェリアに戻って2つの劇団「The 1960 Masks」と「オリシュン劇団 Orisun Theatre」を結成。『ライオンと宝石 The Lion and the Jewel』や 『ジェロ二部作 The JERO Plays』のような喜劇、A.ジャリの『ユビュ王』に基づく痛烈な風刺劇 『バアブ王 King Baabu』、難解かつ詩的な悲劇『死と王の先導者 Death and the King’s Horseman』等、さまざまなジャンルの戯曲を書く。

小説や自伝的作品も著しており『アケ 幼年時代 AKE: The Years of Childhood』は「幼年時代を描いた自伝の古典」と評されているほか、近作 You Must Set Forth at Dawn は2006年ノンフィクション部門の最高傑作と目されている。その他、2004年のBBCリース・レクチャーを書籍化したClimate of Fear、OF AFRICA (2013) など、エッセイも精力的に手がけている。最近の詩集にSAMARKAND and Other Markets I have Known
ナイジェリア、オバフェミ・アウォロウォ大学名誉教授(比較文学)、ブラック・マウンテン・インスティテュート、ネヴァダ大学、ハーバード大学フェロー。
Wole-Soyinka_portrait_WS
 
■『イスマイルとイサベル Ismail at Isabel』(フィリピン) 
とある広場で、ミンダナオの遠い島からやって来た物乞いの子どもたちが語る故郷の物語。イスラム教徒とキリスト教徒がともに暮らす平和な村ダリガウェンはある日、政府と反政府勢力(MILF)の抗争に巻き込まれ、イスマイル(イスラム教徒)とイサベル(キリスト教徒)の友情が引き裂かれてしまう。フィリピンを代表する作家、ロディ・ヴェラは子どもたちが戦争と困難に立ち向かう姿を音楽やダンスなどを用いて描いた。PETA(フィリピン教育演劇協会)製作。

ロディ・ヴェラ Rody Vera
劇作家、俳優、演出家で映画脚本家。これまでにオリジナルと翻案と合わせて50作近くの戯曲を執筆し、カルロス・パランカ文学記念賞(Carlos Palanca Memorial Awards for Literature)をはじめとする各賞を受賞している。ライターズブロック (Writer’s Bloc) の代表を務めるほか、新しい舞台作品を紹介する演劇の祭典ヴァージン・ラブフェスト(Virgin Labfest) にも創立以来中心的に関わる。
Rody_Photo
 
■『夕食の前に Qabl Al Aasha (Before Dinner)』(シリア)
政治闘争の中で「殉教」した父の不在が母と息子を引き裂き、政治、社会への根深い不信が母子の間に激しい葛藤を生み出す。「過去・現在・未来と私たちの関係、戦争・愛・アイデンティティの問い、歴史とその文化的・文明的・人間的意味、存在とその意味をめぐる問い、こういった圧力の全体が、ある夜、若者とその母親の間に現出し、すべてを狂気の果てへと導いてゆく」(アブー=シャクラ)、作家は1985年ダマスカス生まれ、祖父はパレスチナからの難民。
Yasser Abu Shaqra - Portrait - May 2015Before Dinner - Draft - Reading - Beirut - 2014masrahensemblelogo - White

ヤーセル・アブー=シャクラ Yaser Abu Shaqra(作家)
1985年ダマスカス生まれ。ダマスカス高等演劇研究所に学ぶ。ベイルートで製作された『夕食の前に』はバグダードにてリーディング形式で上演され、サンフランシスコの「リオリエント ReOrient」フェスティバルでも製作が進んでいる。アラビア語とデンマーク語で詩集が出版されている。
 
 
 
【海外からのゲストについて】

フィリピンからお迎えするロディ・ヴェラ氏は、今回ご紹介する作品『イスマイルとイサベル』を手がけた作家であり、『国際演劇年鑑2015』では、フィリピン演劇の現状をご紹介くださいました。

また、スーダンより、アリ・マフディ・ヌーリー大使(ユネスコ平和芸術家、ITI国際本部書記官、アルブガ・シアター(スーダン)主宰・演出家・俳優)を迎えて、ITI「紛争地域の演劇」企画誕生のきっかけとなった活動についてお話を伺います。

ロディ・ヴェラ Rody Vera
劇作家、俳優、演出家で映画脚本家。これまでにオリジナルと翻案と合わせて50作近くの戯曲を執筆し、カルロス・パランカ文学記念賞(Carlos Palanca Memorial Awards for Literature)をはじめとする各賞を受賞している。ライターズブロック (Writer’s Bloc) の代表を務めるほか、新しい舞台作品を紹介する演劇の祭典ヴァージン・ラブフェスト(Virgin Labfest) にも創立以来中心的に関わる。

アリ・マフディ・ヌーリー大使 Ambassador Ali Mahdi Nouri
ユネスコ平和芸術家
国際演劇協会(ITI/UNESCO)国際本部 書記官
アルブガ・シアター(Al-Bugaa Theatre/スーダン)主宰・演出家・俳優

1952年、ハルツーム(スーダン)生まれ。音楽演劇学院に学び、舞台、映画、テレビで俳優・演出家としてのキャリアを積む。74年、商業劇団を結成し、劇場を構えて、役者として一躍人気を博したが、97年には社会問題や教育の問題に関心のある仲間とアルブガ・シアターを結成。この劇団主催の「Al-bugaa Theatrical Days」は、今年15年目を迎える息の長い演劇祭である。「SOSスーダン子どもの村」の理事長(93年~)として、南部紛争地域のマラカル(現:南スーダン)で元少年兵の子どもたちと芝居作りに取り組み、2004年のITI 総会で報告したことがITIドイツセンターとの共同プロジェクト「紛争地域の演劇 Theatre in Conflict Zones」実施への糸口となる。「紛争地域の演劇」や、国連難民高等弁務官事務所執行委員会メンバー(06年~)としての活動により、2012年10月、ユネスコ平和芸術家に任命された。

 
 
 
企画制作:公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
会長:永井多恵子
副会長:安孫子正、吉岩正晴
事業委員長:高萩宏
事務局長:曽田修司
制作補佐:佐藤武、後藤絢子
舞台監督:文秉泰
テクニカル・ディレクター:関口裕二
総合プロデューサー:林英樹

協力
国際演劇評論家協会(AICT)日本センター
一般社団法人 日本演出者協会
一般社団法人 日本劇作家協会 
有限会社 バランス balance,inc.
Real Heaven
テラ・アーツ・ファクトリー
Masrah Ensemble

主催:文化庁、公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
共催:東京芸術劇場(公益財団法人 東京都歴史文化財団)
文化庁委託事業「平成27年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
国際演劇年鑑2016(2016年3月発行予定)特集企画
文化庁

 
 

● 紛争地域から生まれた演劇シリーズ アーカイブ
紛争地域から生まれた演劇シリーズ6(2014年)
紛争地域から生まれた演劇シリーズ5(2013年)
紛争地域から生まれた演劇シリーズ4(2012年)
紛争地域から生まれた演劇シリーズ3(2011年)
紛争地域から生まれた演劇シリーズ2(2010年)
紛争地域から生まれた演劇シリーズ1(2009年)