インターナショナル・ダンス・デイ


●4月29日は《インターナショナル・ダンス・デイ》

1982年、国際演劇協会のダンス委員会は《インターナショナル・ダンス・デイ》を創設し、モダンバレエの創始者であるジャン=ジョルジュ・ノヴェール(1727~1810)の誕生日である4月29日をその日と定めました。

毎年発表されるメッセージは、ダンスという普遍的な芸術形式を祝し、楽しみ、あらゆる政治的、文化的、民俗的な壁を越えて、世界中の人々を「ダンス」という共通言語によって一つにするために、世界中に発信されています。

メッセンジャーは、《インターナショナル・ダンス・デイ》を創設したITIのダンス委員会が、ITIの協力パートナーである世界舞踊連盟と協議して選出されています。

 

今年のインターナショナル・ダンス・デイ・メッセージ

2016年:レミ・ポニファシオ(振付家、演出家、舞台美術家、芸術家/サモア)

©MAU

©MAU

カラキア ―― 祈り

宇宙に触れよ
宇宙はわれらが神性の源
子らの顔が見えるように
先祖の顔を
照らしてくれる

上へ横へ下へと織りあげられた
すべてを肉と骨
記憶のなかで
結びつけよ

地球はまわり
人類は集団で移動し
亀は集いて静かに備え
心は傷を負う

ダンスを
愛の動きとなせ
正義の動き
真実の光となせ

レミ・ポニファシオ

* * *

Lemi Ponifasio

 サラ・レミ・ポニファシオはサモア出身の振付家、演出家、舞台美術家、芸術家(「サラ」はサモアの族長の肩書き)。世界の地域コミュニティーやアーティストと連携し、改革を促すことを旨に1995年、ニュージーランドのオークランドでダンスカンパニー「MAU」を設立した。MAUとはサモアの言葉で「真実の表明」を意味する。

 独自の系譜を打ち立てたポニファシオの作風は、従来のダンスの定義を打ち破るラディカルなものだ。その芸術世界において、彼は厳格な美学 ――黒と反転を多用する幻想的なイメージのパレット、儀式で生け贄に捧げられる肉体、腹の底に響く音響、光と闇―― に基づくスローなリズムを使い、現代人を意識の別次元へと誘う。作品発表の場はアヴィニョン演劇祭、ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック、ドイツのルール・トリエンナーレ、エディンバラ・フェスティバル、トロント・ルミナート・フェスティバル、パリ市民劇場、オナシス文化センター(アテネ)、サウスバンク・センター(ロンドン)、ホランド・フェスティバル(アムステルダム)、ウィーン芸術週間、ベルリン芸術祭、サンティアゴ・ア・ミル国際フェスティバル(チリ・サンティアゴ)、プラハ・カドリエンナーレ、ヴェネチア・ビエンナーレなど世界各地に及ぶ。

 2015年の作品に『Lagimoana』(第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展)、演出を手がけたレーモンド・マリー・シェーファー作曲のオペラ『Apocalypsis』(ルミナート・フェスティバル)、『I AM: Mapuche』があり、2016年にはチリの先住民マプチェ族のアーティストと組み、サンティアゴ・ア・ミル国際フェスティバルで『MAU Mapuche』を上演した。

 2014年には第1次大戦開戦100周年を記念した『I AM』がアヴィニョン演劇祭での初演の後、エディンバラ・フェスティバル、ルール・トリエンナーレ、オークランド・アート・フェスティバルを巡演。ほかに権力の本質と監視社会のあり方に迫る『Crimson House』(2014年)、マオリ族の女性たちが言葉といにしえのチャントを通じて生命力の伝達者となる『Stones in Her Mouth』(2013年)、カール・オルフのオペラ『プロメテウス』(2012年、ルール・トリエンナーレ)、国外退去処分におびえながら居場所を探す移民コミュニティーの問題を帝都ベルリンに問う『Le Savali : Berlin』(2011年)、所属ダンサーの大半の故郷でもある太平洋の島々を水没の危機にさらす地球温暖化に警鐘を鳴らした『Birds With Skymirrors』(2010年)、9・11同時多発テロ後の世界における権力とテロリズム、そして国家権力の違法な乱用を取り上げた『Tempest: Without A Body』(2008年)などがある。

翻訳:雨海弘美

 

● 歴代のインターナショナル・ダンス・デイ・メッセージ発信者

2016

レミ・ポニファシオ

振付家、演出家、舞台美術家、芸術家

サモア

2015

イスラエル・ガルバン

フラメンコダンサー、振付家

スペイン

2014

サンティー・スミス

振付家、ダンサー、カハーウィ・ダンスシアター芸術監督

カナダ

2013

林 懐民(リン・フワイミン)

振付家、クラウド・ゲイト・ダンスシアター芸術監督

台湾

2012

シディ・ラルビ・シェルカウイ

ダンサー、振付家

ベルギー

2011

アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル

振付家、ローザス芸術監督

ベルギー

2010

フリオ・ボッカ

バレエダンサー

アルゼンチン

2009

アクラム・カーン

ダンサー

イギリス

2008

グラディス・アガラス

振付家、教育者

南アフリカ

2007

サシャ・ヴァルツ

振付家、ダンサー

ドイツ

2006

ノロドム・シハモニ

カンボジア国王、元ダンサー・バレエ教師

カンボジア

2005

吉田 都

バレエダンサー

日本

2004

スティーヴン・ペイジ

ダンサー、振付家、バンガラ・ダンスシアター芸術監督

オーストラリア

2003

マッツ・エック

振付家

スウェーデン

2002

キャサリン・ダナム

ダンサー、振付家、文化人類学者

アメリカ

2001

ウィリアム·フォーサイス

ダンサー、振付家

アメリカ

2000

アリシア・アロンソ/イリ・キリアン

バレエダンサー、振付家/振付家

キューバ/チェコ

1999

マフムード・レダ

ダンサー、振付家

エジプト

1998

大野一雄

舞踏家

日本

1997

モーリス・ベジャール

振付家

フランス

1996

マイヤ・プリセツカヤ

バレエダンサー

ロシア

1995

マレー・ルイス

ダンサー、振付家、教育者

アメリカ

1994

載 愛蓮(タイ・アイリェン)

ダンサー、振付家、教育者

中国

1993

マギー・マラン

振付家

フランス

1992

ジェルメーヌ・アコグニー

ダンサー、振付家、Jant-Bi創設者

セネガル/フランス

1991

ハンス・ファン・マネン

バレエダンサー、振付家、ネザーランド・ダンス・シアター創設者

オランダ

1990

マース・カニングハム

ダンサー、振付家

アメリカ

1989

ドリス・ライネ

バレエダンサー、振付家、教育者

フィンランド

1988

ロビン・ハワード

ザ・プレイス創設者、実業家

イギリス

1987

ITIダンス委員会/p>

1986

チェトナ・ジャラン

カタック・ダンサー

インドネシア

1985

ロバート・ジョフリー

バレエ振付家

アメリカ

1984

ユーリー・グリゴローヴィチ

バレエ振付家、ボリショイ・バレエ団バレエマスター

ロシア

1983

1982

ヘンリク・ノイバウアー

バレエ振付家、演出家、教育者

スロヴェニア