Slider

世界の同時代演劇を知る!11月26日レクチャー


26日のレクチャーは、鹿児島大学の鵜戸聡さんをお招きして、「アラブ・イスラム世界と現代演劇」と題してお話しいただきました。
講師:鵜戸聡さん
レクチャー2013年11月26日
レクチャーは、現在開催中のF/Tフェスティバル・トーキョーで連続上演されたラビア・ムルエのお話から始まりました。

ラビア・ムルエが「見ることに対する関心(何が見えていて、何が見えていないのか)」が非常に高い作家であることをふまえて、F/Tで上演された『ピクセル化された革命』の「ダブルシューティング」についてのお話が印象的でした。シリアの「革命」が内戦と化す中で、市民によって携帯電話で撮影されたデジタル画像を取り上げ、狙撃者を携帯電話で撮影しているレンズ越しの目撃と、その見ている人自身を襲う銃撃、目撃と襲撃のダブルシューティング。しかも目撃者自身の姿は、その画像には残っていない、見えない存在になっている。その痛ましさが胸に迫りました。

後半では、アルジェリアを代表するフランス語作家のカテブ・ヤシンに焦点をあてながら、アルジェリアにおける言語についてお話しいただきました。

興味深かったのは演劇と言葉の関係です。カテブ・ヤシンの「包囲された屍体」などの戯曲はフランス語で書かれていますが、カテブ・ヤシンが直接アルジェリアの人たちに語りかけたいという思いから、方言アラビア語での上演を行ったこと。方言アラビア語では、言葉の広がりと成熟がなされておらず、小説を書くことはまだできないからこそ、演劇が言語を育てていく点で重要となります。またカテブ・ヤシンの作品における詩性を支えるのが、口承で伝えられた口語アラビア語の伝説、詩、ことばあそびであり、それをフランス語で再創造しているということでした。

来月はいよいよ今年最後のレクチャーです。講師には木村典子さんをお招きして『演劇と社会を繋ぐー韓国演劇の現在と文化政策の試み』を題してお話していただきます。

12月11日(水)、19時より、世田谷文化生活情報センター セミナールーム(三軒茶屋駅前キャロットタワー5階)にて開催致します。どうぞご期待下さい。

(文責:壱岐照美)

Check Also

【国際演劇年鑑】平成30年間の国際交流を振り返る座談会ロング・バージョン掲載のおしらせ

『国際演劇年鑑2020』(20 …