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4/29 インターナショナル・ダンス・デイ・メッセージ2021


●4月29日は《インターナショナル・ダンス・デイ》

1982年、国際演劇協会のダンス委員会は《インターナショナル・ダンス・デイ》を創設し、モダンバレエの創始者であるジャン=ジョルジュ・ノヴェール(1727~1810)の誕生日である4月29日をその日と定めました。

毎年発表されるメッセージは、ダンスという普遍的な芸術形式を祝し、楽しみ、あらゆる政治的、文化的、民俗的な壁を越えて、世界中の人々を「ダンス」という共通言語によって一つにするために、世界中に発信されています。

メッセンジャーは、《インターナショナル・ダンス・デイ》を創設したITIのダンス委員会が、ITIの協力パートナーである世界舞踊連盟と協議して選出されています。今年のメッセンジャーは、シュトゥットガルト・バレエのプリンシパル、フリーデマン・フォーゲル氏。これまでのメッセンジャーとメッセージの内容はこちらでご覧いただけます。


●今年のインターナショナル・ダンス・デイ・メッセージ
フリーデマン・フォーゲル (Friedemann Vogel)
バレエダンサー

(シュトゥットガルト・バレエ・プリンシパル、宮廷舞踊家/ドイツ)Friedemann Vogel

すべては動くことから始まります。誰もが生まれながらに備える“動く”という力を、磨き上げ、交感のために昇華させたものこそ舞踊です。舞踊にとって、卓越したテクニックは観る人に深い印象を与える大切なものですが、肝心なのは舞踊家がそれぞれの動きでなにを伝えるかです。

踊るとき、私たちは常に、忘れがたい瞬間を生み出すことを切に願います。ジャンルによらず、舞踊家であればあの瞬間を求めるはずです。昨年は、不意に劇場が閉鎖され、フェスティバルが中止となって、私たちは人前で踊ることができなくなり、舞踊界は静まりかえりました。身体の接触がない。公演がない。観客がいない。舞踊関係者たちがこれほど結束して自分たちの存在理由(レーゾンデートル)を探したことが、近来あったでしょうか。

私たちは確実に、かけがえのないものを奪われました。そして奪われることで、この舞踊という営みがいかに生命力にあふれ、ひろく社会にとって必要であるかをあらためて認識しました。舞踊家は身体能力ばかりを評価されがちです。たとえその力が強靭な精神に由来するものであったとしても。私たちの持つしなやかな肉体と精神こそ、この危機的状況にあっても踊り続け、新しい作品を生み出し、人々に力を与えるための助けになるのだと私は信じます。


〈メッセンジャー・プロフィール〉

フリーデマン・フォーゲル
Friedemann Vogel

「芯のぶれない世界のスター」と称され、2019年、ドイツのダンス専門誌「タンツ(Tanz)」により「ダンサー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。本賞の受賞は2010年に続き2度目。2020年には、長きにわたる輝かしい国際的活動に対してドイツダンス賞(Deutscher Tanzpreis)を受賞した。

長編ドキュメンタリーのタイトル『フリーデマン・フォーゲル——ダンスの化身(邦題:フリーデマン・フォーゲル——ダンスに生きる/独題:FRIEDEMANN VOGEL—Verkörperung des Tanzes/英題:Friedemann Vogel—Incarnation of Dance)』は、物心ついたころからダンスの道を歩んだフォーゲルにふさわしい。多くの賞を受賞し、20年にわたってスカラ座やボリショイ劇場、東京の世界バレエフェスティバルなど、世界中で評論家と観客を魅了し続けている。ドラマティック・バレエでは深い感動を与え、コンテンポラリーでは刺激的なパフォーマンスを展開するとして高く評価されている。ドイツ国内で最上位のダンサーに与えられる称号「宮廷舞踊家(カンマーテンツァー[Kammertänzer])」を持つ。

*詳細はフリーデマン・フォーゲル氏のオフィシャルサイトをご覧ください
*メッセージおよびプロフィールの原文と各国語での翻訳(随時更新)はこちらをご覧ください。

撮影:Roman Novitzky
翻訳:後藤絢子

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