2011年、国際演劇協会(ITI)日本センターは「ITI世界の秀作短編研究シリーズ ドイツ編 ドラマリーディング」を開催し、デーア・ローアー氏の『言葉のない世界』を紹介しました(訳=阿部剛史、演出=小山ゆうな、ドラマトゥルク=三輪玲子、出演=山下順子)。2005年にアフガニスタンで行われたカブール演劇祭(ITIドイツセンター主催)でワークショップを行ったローアーさん自身のアフガニスタン体験をもとに書かれた作品でした。
ローアー作品は2009年の『タトゥー』(制作=新国立劇場、演出=岡田利規)以来、日本でも数多く紹介されています。今夏、東京演劇アンサンブルによる『泥棒たち』公演を機に2度目の来日を果たすローアーさんに、「言いようのないことを伝えるため」に生み出した独特の文体と、作家と劇場の関係を軸にお話をたっぷり伺います。世界が混迷するこの時代に演劇の存在する意味、ペンの力を再考する機会としたいと考えています。
※2018年3月発行予定の国際演劇協会日本センター刊「国際演劇年鑑2018」にはこのトークの関連記事を掲載予定です。
トーク
戯曲を書くこと―劇作家・デーア・ローアー氏に聞く―
話し手 デーア・ローアー Dea Loher(劇作家)
聞き手 伊達なつめ(演劇ジャーナリスト)
★ローアー作品の翻訳・ドラマトゥルクを数多く手がける三輪玲子さんにも、特別ゲストとしてご参加いただく予定です
日時 8月30日(水)19時~21時(開場:18時45分)
会場 国立能楽堂2階 大講義室 ★詳しいアクセスはこちら
※「事務室・展示室入口」よりお入りください
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1
・JR中央・総武線 千駄ヶ谷駅徒歩約5分
・都営大江戸線 国立競技場駅A4出口より徒歩約5分
・副都心線 北参道駅1番出口より徒歩約7分
入場無料・要予約 ※通訳あり
《デーア・ローアー略歴》
1964年生。ミュンヘン大学でドイツ文学と哲学を修めた後、1990年ベルリン芸術大学劇作コースに入学(専攻主任はハイナー・ミュラー)、戯曲を書き始める。
1992年『オルガの部屋』でデビュー。同年『タトゥー』(新人としては異例の大ヒットとなり、世界各国で上演)、1993年『リヴァイアサン』にて二年連続テアター・ホイテ誌の優秀新人劇作家に選ばれた。
1998年『アダム・ガイスト』にてミュールハイム劇作家フェスティバル劇作家賞受賞。当時から新作のほとんどを、アンドレアス・クリーゲンブルクによる演出で初演し、戯曲と上演ともに高い評価を得る(2008年『最後の炎』でテアター・ホイテ誌年間最優秀劇作家、2010年『泥棒たち』はベルリン演劇祭招待作品)。
2006年ベルトルト・ブレヒト賞、2009年ベルリン文学賞、2017年ヨーゼフ・ブライトバッハ賞ほか、受賞多数。
《日本国内におけるローアー作品上演》
2009年『タトゥー』新国立劇場、岡田利規演出
2009年『最後の炎』新国立劇場(リーディング上演)、森新太郎演出
2011年『最後の炎』エイチエムピー・シアターカンパニー、笠井友仁演出
2011年『無実』劇団黒テント(リーディング上演)、佐藤康演出
2011年『言葉のない世界』ITIドラマリーディング、小山ゆうな演出
2012年『最後の炎』テラ・アーツ・ファクトリー、林英樹演出
2014年『無実』東京演劇アンサンブル、公家義徳演出
2015年『黒い湖のほとりで』エレベーター企画、外輪能隆演出
2017年9月8-18日『泥棒たち』東京演劇アンサンブル、公家義徳演出
伊達なつめ(聞き手)
演劇ジャーナリスト。現代演劇、古典芸能、ダンス、ミュージカルなど、あらゆるジャンルのパフォーミングアーツを国内外(ドイツ語圏へは年一度)で取材。英字新聞「The Japan Times」への寄稿も。著書に「歌舞伎にアクセス」(淡交社)など。
三輪玲子(特別ゲスト)
1964年生。ドイツ演劇研究。訳書にハンス=ティース・レーマン『ポストドラマ演劇』(共訳、同学社)、エリカ・フィッシャー=リヒテ『パフォーマンスの美学』(共訳、論創社)、フランツ・クサーファー・クレッツ『衝動』、デーア・ローアー『タトゥー』、『無実』、『泥棒たち』(論創社)など。上智大学教授。
◎三輪玲子さんが上智大学の「ソフィア」誌(特集・ヨーロッパを担う国、2012年12月)に寄稿なさった「ドイツ演劇の現在:国際演劇協会『ドラマリーディング・ドイツ編』より」をこちらからお読みいただけます。ローアー作品についても詳細につづられています。
【ご予約・お問合せ】
国際演劇協会日本センター事務局
Mail : iti.lecture@gmail.com
TEL : 03-3478-2189 (平日11時〜17時)
※メールでご予約の場合は、件名を「デーア・ローアートーク申込」として、本文に以下4点をご明記ください。
1)氏名(ふりがなをお書き添えください)
2)人数
3)日中に連絡をとれる電話番号
4)iti.lecture@gmail.comから受信可能なメールアドレス
文化庁委託事業「平成29年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」国際演劇年鑑2018関連企画
主催 文化庁 国際演劇協会日本センター ゲーテ・インスティトゥート(東京ドイツ文化センター)
制作 国際演劇協会日本センター ゲーテ・インスティトゥート(東京ドイツ文化センター)
協力 東京演劇アンサンブル