国連教育科学文化機関(ユネスコ)と連携して活動しているITI(国際演劇協会)のネットワーク内では、演劇を通じて平和の構築を目指す取り組みとして「Theatre in Conflict Zones(紛争地域の演劇)」と題するプロジェクトが行われてきました。その嚆矢となっているのは、2005年にスーダンセンターとドイツセンターが共同で始動した「Centre for Theatre in Conflict Zones(紛争地域の演劇センター)」の活動です。
日本センターでは文化庁の委託事業として毎年発行している『国際演劇年鑑』の調査・研究事業の一環で、2009年から「紛争地域から生まれた演劇」シリーズを始めました。本シリーズではこれまで9年にわたり、日本にまだ知られていない優れた戯曲を23本、翻訳、リーディング上演、作者等によるレクチャー等を通して紹介してまいりました。3年目からは戯曲集の発行も行っています。
今年はITIが創設70年、日本センターの「紛争地域から生まれた演劇」も10回目の節目を迎えます。これを記念して「Theatre in Conflict Zones」の立上げメンバーであるトーマス・エンゲル氏(ITIドイツセンター エグゼクティブ・ディレクター)を招き、「Theatre in Conflict Zones」をはじめとするドイツセンターおよび世界のセンターの活動内容をレポートしていただきます。
*11月17日には、ゲーテ・インスティトゥート東京で関連イベント「演劇と紛争 ―国際演劇協会ドイツセンターの活動から―」を予定しています。
「紛争地域から生まれた演劇10」関連企画
ITIドイツセンターの活動とITI World Wideの動静について
講師:トーマス・エンゲル/Thomas Engel
(国際演劇協会 [ITI]ドイツセンターエグゼクティブ・ディレクター)
11月20日(火)19時30分~21時
*当日受付開始・開場時間は19時15分を予定しています
会場:国立能楽堂 大講義室
通訳付 入場無料(ご予約優先)
◇講師について◇
トーマス・エンゲル・・・1958年ベルリン生。国際演劇協会[ITI]ドイツセンターエグゼクティブ・ディレクター。ITI「芸術家のためのアクション・コミティー」創立メンバー。
88年、論文「シェイクスピア作品における登場人物の役割–演劇的空間と実社会の関係」でベルリンフンボルト大学演劇学博士(PhD)を取得。83年より10年間、東独のいくつもの公立劇場でドラマトゥルクとして勤務した。現在、ライプツィヒ大学歴史・芸術・中近東研究科付属Centre of Competence for Theatre(CCT)の理事をはじめ、国内外で各種審査員、理事、コミティーメンバーを務める。
◇国際演劇協会(ITI)日本センターと「国際演劇年鑑」◇
国連教育科学文化機関ユネスコ傘下のNGO国際演劇協会(International Theatre Institute=ITI)は、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という前文ではじまるユネスコ憲章の趣旨に基づき、舞台芸術に関する情報交換と実践面での国際交流の促進を目的に、第二次大戦終結から3年後の1948年に創設されました。
ITI創設から3年後の1951年、ITI日本センターが設立されました。以来60年以上にわたって、各国相互の理解を深めるため、さまざまな事業を行っています。
日本センターでは、1972年から、1年間の国内外の舞台芸術状況をまとめた『国際演劇年鑑』(日英2分冊)を企画・編集・刊行しています。日本語版の「世界の舞台芸術を知るーTheatre Abroad」には日本国内と世界20以上の国・地域の舞台芸術について専門家が原稿を寄せ、英語版の「Theatre in Japan-日本の舞台芸術を知る」は日本語版に掲載の国内の舞台芸術事情を英訳して構成されています。2011年からは「紛争地域から生まれた演劇」シリーズの戯曲集も同時刊行しています。
『国際演劇年鑑』はオンラインでも公開しています!
《アクセス》
国立能楽堂 大講義室
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1
※「事務室・展示室入口」よりお入りください
・中央・総武線 千駄ヶ谷駅 下車 徒歩約5分
・大江戸線 国立競技場駅(A4、A5出口)下車 徒歩5分
・副都心線 北参道駅(1番、2番出口)下車 徒歩7分
《お申込・お問合せ》
国際演劇協会日本センター事務局
Mail : iti.lecture@gmail.com
TEL : 03-3478-2189(平日11時~17時)
FAX : 03-3478-7218
※メールやFAXでご予約の場合は、件名を「ITIの活動申込」として、本文に以下5点をご明記ください。
1)氏名・ふりがな
2)人数
3)日中に連絡をとれる電話番号
4)iti.lecture@gmail.comから受信可能なメールアドレスまたはFAX番号
文化庁委託事業「平成30年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
国際演劇年鑑2019関連企画
主催 文化庁、国際演劇協会日本センター
制作 国際演劇協会日本センター