「ワールド・シアター・ラボ」は、海外で創作された現代戯曲の翻訳と上演を通して、次代を担う翻訳者の紹介・発掘と、私たちが生きる同時代の世界の現実をよりよく理解する視点に触れる機会をつくることを目的としています。
この度、2025年2月にリーディング上演予定の現代戯曲『You Bury Me』(原題:You Bury Me)を4回講座で掘り下げる「海外戯曲の戯曲読解ワークショップ」(オンラインZoom)を開催いたします。
対象は、翻訳者、またはそれを志す方、海外戯曲読解に関心のある演出家、劇作家、俳優など。戯曲を事前にお渡しし、ディスカッションを通して、海外戯曲を共に深めていく参加者を募集します。奮ってご応募ください!
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『You Bury Me』戯曲読解ワークショップ【オンライン】
作:アフラーム Ahlam
翻訳:一川華
ファシリテーター:EMMA(旧・豊永純子)
〈日時・内容〉
1)10月1日(火)18:30~21:30
_翻訳者によるレクチャー、読み合わせ(前半)
2)10月2日(水)18:30~21:30
_読み合わせ(後半)、ディスカッション
3)10月3日(木)18:30〜21:30
_シーン抜粋・ディスカッション
4)10月4日(金)18:30〜21:30
_シーン抜粋・ディスカッション、振り返り
※WS終了後、レポートをご提出(A4用紙、1枚程度)いただきます
〈ファシリテーターより〉
22の短いシーンからなる戯曲『You Bury Me』は、エジプトで生きる10~20代の登場人物6名の会話と、「ザ・シティ」と呼ばれる語りによって、リズミカルに展開されていく物語です。カイロという都市に於いて若い世代が愛・信仰・神・革命・失恋・・・あらゆるものと出会い経験するこのお話から、みなさまは何を感じとるでしょうか?翻訳者の考えも聞くことができる貴重な機会です。ぜひ一緒にこの戯曲を読み解いていきましょう!
〈作品紹介〉
舞台は2015年、エジプトの首都カイロ。2011年のエジプト革命後、2013年に事実上の軍事クーデターが起き、翌年に再び強権的な政権となって約1年が経過した。民主化運動「アラブの春」の余波の中、抑圧されながらも自由や愛を求めるミレニアル世代の若者6人の生き様を追う。友情、喪失、グラインダーのデート、排気ガス、酔っ払いの電話、ファーストキス、狂乱-汗と笑い声に満ちた都市「カイロ」が今、立ち現れる。2020年、The Women’s Prize for Playwriting 受賞。2023年、ブリストル・オールド・ヴィック(英国)にて初演。
※この作品には、暴力描写、性的描写、薬物使用、そして、死や悲しみ、個人的・政治的トラウマを暗示する表現が含まれます。
〈作家〉アフラーム Ahlam
幼少期に数多くの移住を経験。ドイツ、シンガポール、ケニア、ベネズエラ、トルコ、イギリスに在住した。初めて演劇を学んだのはエジプトで、古典的なギリシャ劇とシュルレアリスムの要素を組み合わせたコンテンポラリーダンスを、自身の失恋をもとに創作。その後、真正なイギリス演劇の伝統に身を置く中で、台詞劇への興味が芽生えた。インディ・ジョーンズの再構成を依頼され、エディンバラ・フリンジにて上演。これを機に書くことに目覚める。アフラームは夢想家である。アフラームは革命を夢見ている。アフラームは空想が持つ解放の力を夢見ている。アフラームは巨大なセットのある大規模なアンサンブルシアターを夢見ている。アフラームはシチリアで一度食べたピスタチオをまぶしたサーモンを夢見ている。アフラームは愛を夢見ている。『You Bury Me』は彼女が書いた初めての戯曲ではない。そして最後の戯曲にもならないだろう。
〈ファシリテーター〉EMMA(旧・豊永純子)
演出家。農村歌舞伎保存会や地域の方々と共に創作するなど、文化や歴史をリサーチし、その地域に寄りそいながら制作することを大切にしている。近作は、劇団劇作家『玄海灘』『短篇集「覧古考新」』(演出)、壁なき演劇センター『Light on Tennessee Williams』(作・演出)、ワールド・シアター・ラボ『ロッテルダム』(演出)など。京都芸術大学2024年度劇場実験で、代表を務める共同研究が採択を受け、島にフィールドワークへ行くなど創作中。現在、東京藝術大学非常勤講師。日本演出者協会 常務理事。
〈翻訳者〉一川華
劇作家、翻訳家。幼少期をタンザニアとパキスタンで過ごしたことを機に、セクシュアリティや差別をテーマに創作活動を行う。代表作に女性性器切除を取り上げた『風-the Wind-』、ナイジェリアの赤ちゃん工場事件から着想した『人魚の瞳、海の青』、翻訳作品に『季節はずれの雪』(スティーブン・メトカルフ作)、『ロッテルダム』(ジョン・ブリテン作)、『Bad Roads-悪路-』(ナターリア・ヴォロズビート作)他。近年は著作が第十二回国際女性劇作家会議の公式プログラムに選出されるなど国外でも精力的に活動。
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【募集要項】
■対象 翻訳家、または、それを志す者。劇作家、演出家、俳優等。
■参加条件 原則、全日程参加できる方。海外戯曲に関心がある方。
■募集人数 10名ほど
■参加費 3,000円(全4回)
■参加方法 オンライン実施。Zoomを使用予定。
■応募方法
所定の申し込みフォームより①〜⑧項目をご入力の上、お申し込みください。
①氏名/活動名 ②所属(あれば) ③年齢 ④性別 ⑤住所
⑥連絡先(連絡の取れるEメールアドレスと電話番号を明記)⑦略歴 ⑧応募理由(200字程度)
※募集人数を超えた場合には選考あり
※参加者には、戯曲の粗訳を郵送いたします。
応募フォーム https://forms.gle/3kbbccRtbsUALxT16
■応募締切 2024年9月4日(水)まで 2024年9月11日(水)まで
■参加可否のご連絡 2024年9月13日(金)まで
※フォームより応募ができない場合は、メールにてご応募ください。
その際、タイトルを 「『You Bury Me』戯曲読解ワークショップ 参加者応募」としてください。
メールアドレス:worldtheatrelabo.itij@gmail.com
*応募された方の個人情報は厳重に管理し、今回の公募以外の目的に利用いたしません。
*選考に関する問い合わせには、一切応じる事はできません。予めご了承ください。
・当事業は、ハラスメント防止対策に真摯に取り組み、必要な対応を行います。
・参加者の方から、ハラスメントに関するご相談を受けた場合は運営スタッフが責任をもって対応いたします。
〈お問合せ〉
国際演劇協会日本センター事務局
メール worldtheatrelabo.itij@gmail.com
電話03-3478-2189(平日11時~17時)
主催:(公社)国際演劇協会日本センター
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成))|独立行政法人日本芸術文化振興会
企画立案・プロデュース=林英樹
ディレクター=柏木俊彦、櫻井拓見
制作=村上理恵