紛争地域から生まれた演劇シリーズ16 として、12月に上演予定となるウクライナ作品『亡霊の地』についてお知らせします。
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『国際演劇年鑑2025』特集企画:紛争地域から生まれた演劇シリーズ16
戯曲を読む・知る【リーディング&トーク】
『亡霊の地』
作:アンドリー・ボンダレンコ
翻訳:万里紗
演出:林英樹
~現実と悪夢の境界線、そこは亡霊の地~
ロシアによるウクライナ侵攻後、ウクライナ人作家によって書かれた戯曲。
2023年9月、米国の劇団によって初演。『バタフライ』『結婚持参金』『罪と罰』の寓話的な3本の短篇劇で構成される。それらを貫通するのは、戦場と化していく故郷に漂う「ゴースト」たちの声なき声と、ウクライナ人劇作家が抱える危機感である。
日程:2024年12月6日(金)~8日(日)
会場:中野スタジオあくとれ
チケット発売:11月初旬
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「紛争地域から生まれた演劇」シリーズとは……
世界各地のITIセンターでは、演劇を通じて平和の構築を目指す取り組みとして「Theatre in Conflict Zones」と題するプロジェクトが行われています。日本センターでは文化庁の委託事業として毎年発行している『国際演劇年鑑』の調査・研究事業の一環で、2009年から「紛争地域から生まれた演劇」シリーズをはじめました。
これまで15年にわたり、最前線のテーマを扱ったパレスチナ、シリア、イラン、ヨルダン、イスラエル、パキスタン、フィリピン、タイ、アルジェリア、カメルーン、ナイジェリア、アメリカ、カナダ、ドイツなどの海外戯曲30作品をリーディングやトーク、戯曲集の発行で紹介してきました。
当シリーズでは世界各地で生起する様々な紛争に目を向け、同時代の政治的・文化的状況に対して新たな視座を構築することを目指しています。また、これにより演劇の持つ問題提起力を社会に示すとともに、演劇に関する調査研究と創作現場との連携協働を実現しています。
当企画で紹介した作品の中には、大小様々な劇団・劇場で舞台化されたものも少なくなく、イスマエル・サイディ作『ジハード』、ガンナーム・ガンナーム作『朝のライラック』(2作品とも、さいたまネクスト・シアターにより上演)は2年連続で小田島雄志・翻訳戯曲賞を受賞しています。
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委託:独立行政法人日本芸術文化振興会委託事業「令和6年度文化芸術活動の動向把握に向けた基礎資料収集事業」
『国際演劇年鑑2025』特集企画
企画・制作:公益社団法人 国際演劇協会日本センター
問合せ:admin@iti-japan.or.jp(国際演劇協会日本センター)