ヘレン・ミレン
ライブパフォーマンスにとって受難の日々が続き、元来不安定なアーティストや裏方のみなさんが奮闘しています。
これまでの日々の不安が、コロナ禍をウィットと勇気で乗り越えることにつながっているのだと思います。
舞台芸術に携わる人々のものを生み出す想像力は、早くも、新しい環境の中で、独創的で、楽しくて、心震えるコミュニケーションに姿を変えています。もちろんこれはインターネットのおかげでもあります。
この惑星に生まれてからずっと、人類は互いに物語を伝え合い続けてきました。人類が存在する限り、舞台芸術という美しい文化は生き続けます。
作家、美術家、ダンサー、シンガー、俳優、音楽家、演出家。彼らの創作への執念は、決して窒息しません。近い将来また花開きます。私たち世界中の人々の新しい共通認識の上に、新しいエネルギーを持って。
その日が待ち遠しい!
* * *
Helen Mirren
ヘレン・ミレン(イギリス)
俳優。演劇、映画、テレビなど、国際的に多方面で活躍。力強く多彩な演技が高く評価されており、映画『クイーン(Queen)』での2007年のアカデミー賞・ゴールデン・グローブ賞をはじめ受賞多数。2003年には英国勲章「デイム(Dame)」の称号を得た。
ナショナル・ユース・シアター(ロンドン)『アントニーとクレオパトラ』のクレオパトラ役で初舞台。マンチェスターでの再演の後、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)に参加。4年後、方向性を変えてピーター・ブルックの主宰する国際演劇研究センター(CIRT: Centre de Recherche Théâtral、パリ)のアフリカおよびアメリカ・ツアーに参加した。
その後は活動の幅を広げ、ウエストエンド、フリンジ、RSC、ナショナルシアター(NT)などに出演。ブロードウェイでは、95年に『村のひと月(A Month in the Country)』でトニー賞にノミネートされたほか、『死の舞踏(Dance of Death)』でイアン・マッケランの相手役を務めた。
次いでドンマー・ウェアハウス(Donmar Warehouse)での『地獄のオルフェ(Orpheus Descending)』(2001)とNTでの『喪服の似合うエレクトラ(Mourning Becomes Electra)』(2004)ではオリヴィエ賞最優秀女優賞にノミネートされた。
2009年にはニコラス・ハイトナー演出『フェードル』でNTに再登場。同劇場選りすぐりの作品を世界の映画館で配信する「NTライブ」の記念すべき第一弾でもある。
2013年には、ウエストエンドで『ザ・オーディエンス(The Audience )』に出演。エリザベス女王役を演じた(作:ピーター・モーガン[Peter Morgan]、演出:スティーヴン・ダルドリー[Stephen Daldry])。映画『クイーン』のエリザベス女王役でアカデミー賞を受賞した後での同役とあって話題になり、オリヴィエ賞とWhat’s On Stage Award最優秀女優賞を受賞。2015年2月にはニューヨークのジェラール・シェーンフェルド・シアター(Gerald Schoenfeld Theatre)で上演され、トニー賞最優秀女優賞を受賞した。
*ヘレン・ミレン氏の舞台、映画、テレビへの出演情報の詳細、慈善事業や経歴については、以下、オフィシャルホームページをご参照ください。
www.helenmirren.com
翻訳:後藤絢子
● 歴代のワールド・シアター・デイ・メッセージ発信者
2021 |
ヘレン・ミレン |
俳優 |
イギリス |
2020 |
劇作家、アジョーカー劇場(Ajoka Theatre)主宰 |
パキスタン |
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2019 |
演出家、劇作家、演劇教育者、大学教授 |
キューバ |
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2018 |
― |
フランス |
|
2017 |
俳優 |
フランス |
|
2016 |
演出家、教育者 |
ロシア |
|
2015 |
演出家 |
ポーランド |
|
2014 |
劇作家、デザイナー、演出家、インスタレーション・アーティスト |
南アフリカ共和国 |
|
2013 |
劇作家・演出家・俳優 |
イタリア |
|
2012 |
俳優 |
アメリカ |
|
2011 |
劇作家・俳優・演出家 |
ウガンダ |
|
2010 |
俳優 |
イギリス |
|
2009 |
演出家・作家 |
ブラジル |
|
2008 |
演出家・劇作家・俳優 |
カナダ |
|
2007 |
シャルジャ首長・歴史家・劇作家 |
アラブ首長国連邦 |
|
2006 |
劇作家 |
メキシコ |
|
2005 |
演出家・太陽劇団創立者 |
フランス |
|
2004 |
劇作家 |
エジプト |
|
2003 |
劇作家 |
ドイツ |
|
2002 |
劇作家・俳優・映画監督 |
インド |
|
2001 |
詩人・小説家・劇作家 |
ギリシャ |
|
2000 |
劇作家・小説家 |
カナダ |
|
1999 |
ヴィグディス・フィンボガドゥティル |
アイスランド第4代大統領 |
アイスランド |
1998 |
ユネスコ創設50周年記念メッセージ |
― |
― |
1997 |
キム・ジョンオク |
演出家・劇団自由創立者 |
韓国 |
1996 |
サーダッラー・ワッヌース |
劇作家 |
シリア |
1995 |
ウンベルト・オルシーニ |
演出家・劇作家 |
ベネズエラ |
1994 |
ヴァーツラフ・ハヴェル |
劇作家・チェコ共和国初代大統領 |
チェコ |
1993 |
エドワード・オールビー |
劇作家 |
アメリカ |
1992 |
ジョルジュ・ラヴェリ |
演出家 |
フランス |
1992 |
アルトゥーロ・ウスラール=ピエトリ |
小説家・作家・政治家 |
ベネズエラ |
1991 |
フェデリコ・マヨール |
ユネスコ第7代事務局長 |
スペイン |
1990 |
キリール・ラヴロフ |
俳優 |
ロシア |
1989 |
マーティン・エスリン |
演劇批評家 |
イギリス |
1988 |
ピーター・ブルック |
演出家 |
イギリス |
1987 |
アントニオ・ガラ |
詩人・劇作家・小説家 |
スペイン |
1986 |
ウォーレ・ショインカ |
詩人・劇作家 |
ナイジェリア |
1985 |
アンドレ=ルイ・ペリネッティ |
演出家・ITI事務局長 |
フランス |
1984 |
ミハイル・ツァレフ |
俳優・演出家 |
ロシア |
1983 |
アマドゥ・マハタール・ムボウ |
ユネスコ第6代事務局長 |
セネガル |
1982 |
ラーシュ・アフ・マルムボリ |
指揮者 |
スウェーデン |
1981 |
各国センターからのメッセージ |
― |
― |
1980 |
ヤヌシュ・ヴァルミンスキ |
俳優 |
ポーランド |
1979 |
各国センターからのメッセージ |
― |
― |
1978 |
各国センターからのメッセージ |
― |
― |
1977 |
ラドゥ・ベリガン |
俳優 |
ルーマニア |
1976 |
ウジェーヌ・イヨネスコ |
劇作家 |
フランス |
1975 |
エレン・スチュワート |
ラ・ママ実験劇場創立者・プロデューサー |
アメリカ |
1974 |
リチャード・バートン |
俳優 |
イギリス |
1973 |
ルキノ・ヴィスコンティ |
映画監督 |
イタリア |
1972 |
モーリス・ベジャール |
振付家 |
フランス |
1971 |
パブロ・ネルーダ |
詩人 |
チリ |
1970 |
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ |
作曲家 |
ソビエト連邦 |
1969 |
ピーター・ブルック |
演出家 |
イギリス |
1968 |
ミゲル・アンヘル・アストゥリアス |
小説家 |
グアテマラ |
1967 |
ヘレーネ・ヴァイゲル |
俳優・ベルリーナー・アンサンブル創立者 |
東ドイツ |
1966 |
ルネ・マウ |
ユネスコ第5代事務局長 |
フランス |
1965 |
匿名のメッセージ |
― |
― |
1964 |
ローレンス・オリヴィエ |
俳優 |
イギリス |
1964 |
ジャン=ルイ・バロー |
俳優・演出家 |
フランス |
1963 |
アーサー・ミラー |
劇作家 |
アメリカ |
1962 |
詩人・小説家・劇作家 |
フランス
|